偉大なる舞踏関係者の逝去に想う

 フランスのバレエ振付家ローラン・プティ氏が昨年、自宅のあるスイス・ジュネーブで死去した。87歳だった。1940年にオペラ座入団、48年に「バレエ・ド・パリ」を結成し、ルドルフ・ヌレエフら有名舞踊家と共に創作活動を行った。

 55年にフレッド・アステア主演の米映画「足ながおじさん」の振り付けを担当、「ダンスの魔術師」と呼ばれた。詩人ジャン・コクトーと作った「若者と死」で深い心理と官能性を表現したほか、文学的な「プルースト失われた時を求めて〜」、軽妙な「こうもり」など多彩な作品を残した。

 日本でも人気が高く、今年公開された映画「ダンシング・チャップリン」では草刈民代さんがプティ作品に挑む姿が紹介された。牧阿佐美バレエ団新国立劇場バレエ団も多くの作品を上演している。2003年に旭日中綬章授章。近代バレエの振付けに、多大な影響を与えた人です。

 ドイツが世界に誇る、ストイックなカリスマ現代舞踏家、ピナ・バウシュ女史も近年亡くなられた。彼女の炎のような生き様は、「ピナ」という題名で映画になり、国際配信された。長崎でも、かのセントラルという、本当に渋い作品をコツコツ上映し続ける玄人好みの小さな映画館でもやっていたと知ったのは、終わってからだった・・・。DVDで観たいなと思っています。

 他の分野と同様かもしれませんが、舞踏の世界でも時々カリスマが出現し、その人を中心に世界が回っていくように感じます。一昔前は、モーリス・ベジャールもそんな存在でした。

http://column.madamefigaro.jp/culture/cinema/pina.html