しんのじの夏〜2014 番外編

 久々に筆を走らせる、というか、単にキーを叩いているだけなのですが、そうしているうち、少しずつタッチタイピングの要領が戻ってきました(笑)。とはいえ、まだ結構アヤフヤですけど・・・。ほろ酔いなので、ちょとナルシズム入った、読むに堪えない駄文となっている可能性が高いですので、どうぞご用心を・・・。

 ついでの勢いで、最近気になっていることを少しだけ(少しで済むかな(汗))。しんのじ、ついに「ももクロ」からの卒業を決意しました。動機は単純、いつまで経っても歌が上手くなってくれないから。

 ま、それでもいいやと思う瞬間はありました。春も走りの今年3月15日、東京オリンピック(僕は3歳位だったはず)の前から国民に親しまれてきた国立競技場の、その改修前カウントダウンの「ももクロライブ」。鋭く切り立った斜面のスタンド。背もたれもない小さなプラスチックの窪んだ四角い板が僕の席でした。でも、ほとんど座ることなく、4時間近く、寒風の中、ペンライトを振って声援や振りをしていたわけです。
  綺麗な夕焼けに包まれました。ゆっくりと宵闇が迫りました。その日はなんと、一番小柄な有安杏果(ありやすももか)の誕生日です。もはや、ほぼ真っ暗となった午後7時頃だったと思います。オペラ等で大活躍している腕利きのセミプロ合唱団、「東響コーラス」がモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を優しい響きで奏でます。むろん、僕もよく知って何度も歌ってきた曲です(元コーラスおたくですので)。思わずテノールパートを歌い出すと、周りがオヤッと首を傾げたのはちょっと嬉しかった(笑)。

 声楽家であるすぐ下の弟の義母は、ウイーンでこの曲を合唱してきたそうです(実の母はど素人の音楽好きなのですが、なんと彼女まで数年前、合唱団でウイーン詣でをし、大聖堂で歌ってきたそうです。それに、その弟の結婚式で、両家一同を集め、サウンド・オブ・ミュージックのトラップ家ならぬ合同合唱団を作ってファックスで関西と長崎の楽譜のやり取りをして練習しながらこの曲を歌い上げたのは良い思い出です。この披露宴の前日は師走の大嵐で雹(ひょう)が降っていましたが、この日は、義父母の家に両家一同が集まり、ゲネプロを済ませています。

 僕だけ仕事の都合でどうしても参加出来ず、深夜に宿泊先にやっと着いたら、なんとそのホテルでは、かのヒロミ・ゴーのディナーショウがはけたばかり。チェックインを終え、乗ったエレベータにはほろ酔いの着飾ったカップルがたくさん乗り込み、しきりと「若い!」だの「カッコイイ!」だの興奮気味に話しまくっておりました。

 ちなみに家内もピアニストとして、ウイーンに短期留学の経験あり。カミサンといえば、去年はニュージーランドとロシアに演奏旅行(ただし、合唱団のお付きのピアニストとしてですが)。アウトドア天国、とくにカヌー関係ではアメリカ北西部と並んで聖地と言っていいニュージーランド、そしてロシアではエカリーナの栄華を示す遺産が残るサンクトペテルブルグエルミタージュ美術館にも行ったというから、もう、このヤローと言いたくなるほど羨ましいです。

 しかも、ロシアに行くことになった理由は、日本が世界に誇る現代作曲家、I.S.先生に数年前、見込まれ、可愛がってもらえるようになったこと。実力で認めてもらえたのは、彼女の努力の賜物だと思いますが、先生の趣味のワインにも付き合えた上戸ぶり(僕は悲しいかな、1合ちょっとしか飲めません)も損ではなかったはず。本当にいいなあ!

 そう言えば、僕も職業学生として過ごした大学院生の時には、国際学会荒らしで各国を行脚したものですが、もうあの頃の研究エネルギーが残っていないからなあ(涙)。もう、苦手ではなかった英会話さえ、少々錆び気味になっている模様。そのうち、うちの職場にスタッフが増えたら、もう一度、各国を巡りたいものだと思います。カミサンにもよくそそのかされる(ついていって、一緒にちょっと仕事をして小銭を稼ぎたいとのたまう。ホントに生意気なヤツ!)。

 ちなみに、僕が敬愛する伸び盛りのオペラ歌手、坂井田真実子さんは、今年一杯まで二度目のウイーン留学中です。

 さあ本題に戻ろう(笑)。杏果ちゃんの生誕祭となったこの日、アヴェ・ヴェルム・コルプスのすぐ後に歌われたハッピバースデーの歌が始まると同時に会場全体をほのかに照らし出したのは、5万本に及ぶ緑色のペンライトの海、海、海。彼女のイメージカラーが緑なので、ファンがそっと点灯してお祝いしたのです。僕は、というと、彼女は特に気に入ったメンバーだったのに、うっかりして緑色のペンライトを持参し忘れていました(涙)。これも、何かの縁の切れ目だったのか・・・。

 歌は上手くないが、一生懸命さだけは売り物に出来るももクロちゃん達でした。ですが、おそらく運営側が本気でアーティストとして育てる気がなくて、いろんな作家にいろんなテイストの曲を提供してもらって歌っているけど、最近はどれもが中途半端であり、少なくとも大人の鑑賞に堪えるレベルに至らないことを痛感したので(もっと早く気付いていた人も多いと思いますが)、この8月末を以てファンクラブ「エンジェルアイズ」を退会することとしました。

 時を同じくして嵌りだしたのは(って、ゲンキン者!)、BABYMETALという女の子3人組のヘビーメタルボーカルグループです。Su-metalと呼ばれる16歳のリードボーカルの少女。赤と黒ゴスロリでキリリと身を包み、崖の上に立っているような、不思議な孤独感と切実感を漂わせながら絶唱する彼女。ほとんどビブラートのない真っ直ぐな、しかし倍音を豊富に含む、爽やかでほど良く重い、響く声。 

 両脇を固めるのは、少しエラの張った、一重まぶたで少し目の細い典型的な日本美人のYui-metal(先日、15歳になったばかり)と、年々顔がすっきり細くなってどんどんスイートになっていくイマドキ美女のMoa-metal。この二人はダンスと合いの手専門なのだが、本当に可愛らしく、しかしキレキレのダンサーでもあるのです。

 彼女達は、かの福山クンも所属するアミューズの某グループに属するアイドル(Su-metalは卒業済み)の選抜ユニットなのですが、もちろん商業的理由で仕組まれたにも拘わらず、シンガポール、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、カナダで、単独ライブ、ロックフェスティバル、はたまたレディ・ガガの前座でのアメリカ行脚(ももクロちゃんは、日本の単発のみの前座でした)と、みるみるとんでもない世界制覇ぶりを果たし、この冬にはアメリカとイギリスだっけ、追加公演を予定するに至る有様。

 もしご興味がおありの方は、下記の動画をご一覧いただければ幸いです。X-Japanの曲調に極めて近いのは、オマージュということだそうです(プロデューサー役のKoba-metalがメタル&アイドルおたくだそう)。

 ちなみに合いの手の二人がギターを弾いているのはフェイクで(最愛ちゃんは少しギターを習っているそうですが)、白装束に山海塾みたいな白塗りを効かせた腕利きのセッションミュージシャンが演奏しています。その中で、最近私よりちょっと上の歳で亡くなられた、山下達郎さんのツアー専属ドラマーであった青山純氏のご子息も活躍中です。

 おそらく、思春期限定ユニットとしてしか存在し得ない可能性が高いので、短期間でもいい、行ける所まで突っ走ってほしいと思います。自分が出来ないことをやってくれていて痛快なこの3人の少女達に、幸多からんことを!

https://www.youtube.com/watch?v=MCxXf3Smqrg

 なんだかんだで、結局アイドルに走っている感じなのですが(汗)、僕の敬愛するMさんに言わせると、子供のいない僕が、子供を可愛がる感じなのではないかな、とのこと。たぶん、その通りですね(笑)。

 さて、もう夕方ですね・・・。最後に料理の話も少ししましょう。時々パワーがなくなると、無性に中華が食べたくなります。ごく強火で鉄鍋をカンカンになるまで熱し、豪快にゴマ油を注いだら、乱切りか潰したニンニクを投入。後は、好きな野菜や肉を、火の通りにくい順に入れていきますよね。

 家庭でなかなかシャキッと中華の炒め物が出来ない理由は、火力が弱過ぎることにあると長年言われ続けてきましたが、それはIHでなくガス火であれば、炎の強さと鍋のサイズ・具材の量とのマッチングがちゃんと出来れば解決可能。つまり、小さな火口しかないコンロでは、小ぶりの鉄鍋にし、一回の炒める量を加減してあげれば、かなりシャッキリした、余分な水気の出ない炒め物になりますね。

 また、そのためには是非ともコーティングしていない、鉄剥き出しの鍋やフライパンで炒めることに尽きますね。カンカンに熱くしても鍋自体が傷まないし、水分も一気に蒸発し、野菜類は青々したままで火が通ります。うちは、鉄のフライパンが2個(中は卵&パンケーキ用、大は肉用)、それに山田鉄工所の直径33㎝の大型片手鍋があり、もちろん中華は最後のヤツでやります。幸い、コンロの大きな火口がまずまずの火力で、この鍋を熱くする力がどうにかある状態なのです。ただし、僕の腕力ではこのサイズの鍋を振るのが限界でして、この鍋で調理する時は自分の力試し的な緊張感を強いられますが、それがまた快感でもあるのです。

 ちなみに、人参やセロリ、乱切りの玉ねぎなど、なかなか火が通しにくい素材に対し、プロの料理人の方は「油通し」という、低温の油で予め素材に火を通しておくテクニックを使いますね。こうしておいて、火の通りやすい素材とうまく仕上がりのタイミングを合わせるようにするわけですが、素人では油が勿体ない上に、面倒この上ない。

 でも、よい方法があります。これは、たぶん昔、「料理の鉄人」だったか「きょうの料理」だったかで陳健一氏が披露していたテクニックで、ゴマ油を大さじ1-2杯垂らした熱湯で、素材を茹でつつコーティングするやり方。これで十分に「油通し」の代用になります。非常に優れた方法で、僕はちょっと頑張りたい時にはこの方法を必ず利用してから炒め合わせます。

 お昼に、ちょっと余っていた冷凍の「件の牛スジ」(前にご紹介した、グルメハウスヨシダさんのお肉ですね)を解凍して切り分け、人参、セロリ、ピーマン、小松菜、生椎茸、ニンニクと炒め、ホイコーロー風に合わせ味噌と味醂、砂糖それに柚子ゴショウで味付けてみました。アラレ切りの人参とセロリ、ピーマンは「油&湯」通しを5分ほどしてから炒め合わせるのです(もちろん、切るサイズ次第では数分で大丈夫なことも)。食べると元気の出る味になりました。

 ということで、さすがに酔いも醒めてきた夕刻、そろそろ筆を置くことにします。やっと頭より指が先に動きかけてきた所でジ・エンドというのは、以前、出張で国際学会に短期出張で出向いていた際、やっと日本語で逐次、会話を考えずに英語自身で英会話が出来かけた時点で帰国が迫るという展開によく似ています(笑)。さあ、また明日から仕事を頑張るとします。