音楽のこと 家族のこと

 気がつけば、もう、あの大震災から1年半近くが過ぎてしまいました。この一年余、家族のことを
改めて思い返した人も少なくなかったことと思います(そう言えば、もう一つの大災害、阪神大震災
の3日前、1月の寒い最中に出張で激甚災害地区に行っていたことをふと思い出しました)。

 しんのじの二人の弟達も、思うところがあったのかもしれません。昨年6月の末弟の結婚に続き、
年末にはすぐ下の弟もゴールインしました。木枯らしで凍てついた京の街で、年の瀬も押し迫る某日、
挙式と披露宴が行われたのでした。寒い朝、有名な某神社で、雅楽の生演奏(身が引き締まるいい音
でしたが、あれだけ寒かったのに、古式ゆかしき装束は結構薄着でして、よく震えずに吹けたものだ
と感激!)をバックに、厳かに挙式が行われました。

 披露宴は打って変わって、某名刹が経営する懐石料理店にて行われました。この少しこじんまりと
した、しかし大変心温まる宴は、とても楽しいものでした。幸か不幸か(笑)、次弟のお嫁さんも音楽
の世界の人です。彼女のお仲間の演奏も素敵でしたし、特にオペラ歌手のYさんの「ある晴れた日に」
は絶品でした。息の合った伴奏をその場でやったわがカミサンも、なかなかにグッジョブだったと思
います(身内びいきで失礼!)。

 僕も、末弟の披露宴に続いて、出しゃばってしまいました(汗)。僕らが結婚した二十数年前、自ら
の披露宴で、最後に御礼の言葉に代えて連弾した坂本龍一氏のParo Libleを再演したのでした。久
々に真面目にピアノを弾いたり、アレンジし直したり(自分が弾き易いように(笑))と、結構大変で、
夜なべ仕事の連続でしたが。

http://www.youtube.com/watch?v=z2E_p-r2TJI

 その他、両家で合唱団を編成し(弟のお嫁さんのリクエストで、僕が仕切って答えました)、坂本は
坂本でも九ちゃんの方の「見上げてごらん 夜の星を」(実は母が彼の大ファンでした)、特にこの曲
は震災後のみんなの気持ちを代弁しているところもあるので是非入れたかった。そして、弟のお嫁
さんのお母様がウイーンで歌っていらしたという「Ave Verum Corpus」。硬軟両方の曲を携え、総
勢10名足らずのミニ合唱団は、楽しく心を一つにして歌えたのではなかったかと思っています。

 これも、パート数やアレンジ(今回はプロの書いた楽譜にしましたが)をあれこれと迷い、Ave
Verumは四部、見上げてごらんは三部としました。後者は、なるべくシンプルだけど味のあるアレンジ
の楽譜を探しました。

 音楽からはセミリタイアしてしまっている僕ですが、時々発作的に音楽したくなっちゃったりして
います。披露宴っていうのは、そんな僕にまたとない刺激となり、また試練の場となったのでした(笑)。

 練習していて思ったこと。調子がいいと、意外と高い声が出るようになっていたことに驚きました。
本当に調子がいい時、まぐれでかもしれませんが、「誰も寝てはならぬ」の最高音(Vincero!の所)が
出ちゃいました。秋風が吹き始める頃にでも、練習を再開しようかな・・・。

http://www.youtube.com/watch?v=ARf8tbJVXjs

 ちなみに、この動画、面白すぎる!テノールの見得の切り方を茶化す感じが最高です(笑)。天上の
パヴァロッティも、笑って許してくれるのではないでしょうか。

 合唱の楽しさをしみじみと思い出しつつ(高校〜大学と嵌り過ぎた!)、キョンキョンの「木枯らし
に吹かれて」を四部のコーラスのカッコいい系にアレンジしたいな、なんてふと思ったものでした。
たしか作曲はアルフィーの高見沢氏だったと思いますが、あの頃の歌謡曲の良質なエッセンスがしっ
かりと詰まった名曲だと、常々思っています。